桐生のうどん屋で、何故か、
雑誌pen2月15日号の、
デザイナー川久保玲 独占インタビューの記事を
思い起こしている。
いや、うどんをクリエイションして、「ひもかわ」を
生み出し、新しいビジネスとして、「ひもかわ」を発展させる。
その発想が、ビジネスだって同じクリエイションだ。
という記事に、頭の中で、リンクしたからなんだ。
実はというほどでもないが、私は、コムデ一派である。
たまに、ちらちらっと、そんな文章を書いたりしているので、
わかるかもしれない。
遡る事、数十年前、メンクラを愛読していた私は、IVYこそが、
ファッションだと、思っていた。
ボタンダウン、チノパン、ネイビーブレザー、ペニーローファー、
所謂、保守主流派なスタイルで、街を闊歩していたんだ。
だから、コムデとの出会いは、かなり衝撃的だった。
はじめて、レッド・ツェッペリンの曲を聴いたときのような、
うーん、わかりやすく言うと、ビニ本の、ビニールを破る瞬間
みたいな高揚感を感じたんだ。
当然、吉本隆明が、転向したように、そこで、ガラリと変わったんだ。
それ以来、一部、カルト的では、あるが、
川久保玲に、心酔している。
I must be a rebellious person.
と、彼女は、言い放った事があったが、その思想、ものづくりの
原点が、私は、好きだ。
そして、今にいたるまで、コムデギャルソン(少年のように)で
あり続けるというブレない精神。
久しぶりに聞いた川久保玲の言葉は、やはり、スジが一本
通っていた。
「何かひとつの物やことだけでなく、身の回りにあることや、
日々の仕事の積み重ねから、考える事も全部材料です。」
「コムデギャルソンの仕事に共鳴してもらい、コムデギャルソンの
服を着た人が、ドキドキしたり、何か感じてもらえる事が一番大事。」
「それは、目的に近い使命ですから。もちろんかっこいい、新しいものを
作り出したという感触は、持ちたいですが、それ以上に、やはり
同じように感じてくれる人が多ければ多いほど、それは仕事としては
うれしいのです。」
さすが、川久保玲である。
心がふるえるお言葉であった。