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僧侶とbianchi

 しばらくぶりの街乗りエンスー。
ま、いろいろやってはいたんだけれど、
アップする環境が、整わなかったせいもあり、
macbookを手にしてから、割と頻繁に、更新できるように
なったので、再開する。勝手だね。

さて、この持ち主、
若手のイケメン僧侶、バスケットつながりで、
親しくさせて頂いている。
話しがいい。礼儀正しい。運動神経がいい。
そして坊主頭。当たり前か。現在、住職について修行中。
袈裟を着て、これに乗って、
檀家を回っている姿を想像すると楽しい。

が、最近、バスケットをやり過ぎて
腰が、痛いというので、ポジション変更を頼まれた。
見た目を損なわないで、楽な姿勢が、とれて、
費用が、かからないようにするというお題。
ま、勝手にやっていいという事なので、
任せてもらった。

ハンドルバーは、かなり昔のドロップバーを
切断して、作ったオリジナルぶるホーン。

ブレーキは、エンスー中島氏から頂いた
ダイアコンペの例の奴。

ステムは、知る人ぞ知る、ルイステム。

バーテープだけは、ビアンキオリジナルの
レッドを使用。
これで、かなりコストは、抑えられたんだ。
金額を聞いたら驚くぜ。

で、仕上がりは、このとおり。

あ、サドルの赤いカバーは、昔流行った奴ね。
かなり、ファンキーだろ!
ほら、昔、ファンキーな坊さんの映画あったよね。
やっぱり、これくらいの乗らないと。若手の坊さんは。
住職には、俺から言っとくから。
指定どうり仕上げましたってね。
悪く思うなよ。
# by jack1641 | 2012-02-26 09:53 | 街乗りエンジニアリング

I must be a rebellious person.

桐生のうどん屋で、何故か、
雑誌pen2月15日号の、
デザイナー川久保玲 独占インタビューの記事を
思い起こしている。
いや、うどんをクリエイションして、「ひもかわ」を
生み出し、新しいビジネスとして、「ひもかわ」を発展させる。
その発想が、ビジネスだって同じクリエイションだ。
という記事に、頭の中で、リンクしたからなんだ。

実はというほどでもないが、私は、コムデ一派である。
たまに、ちらちらっと、そんな文章を書いたりしているので、
わかるかもしれない。
遡る事、数十年前、メンクラを愛読していた私は、IVYこそが、
ファッションだと、思っていた。
ボタンダウン、チノパン、ネイビーブレザー、ペニーローファー、
所謂、保守主流派なスタイルで、街を闊歩していたんだ。
だから、コムデとの出会いは、かなり衝撃的だった。
はじめて、レッド・ツェッペリンの曲を聴いたときのような、
うーん、わかりやすく言うと、ビニ本の、ビニールを破る瞬間
みたいな高揚感を感じたんだ。
当然、吉本隆明が、転向したように、そこで、ガラリと変わったんだ。
それ以来、一部、カルト的では、あるが、
川久保玲に、心酔している。

I must be a rebellious person.

と、彼女は、言い放った事があったが、その思想、ものづくりの
原点が、私は、好きだ。

そして、今にいたるまで、コムデギャルソン(少年のように)で
あり続けるというブレない精神。

久しぶりに聞いた川久保玲の言葉は、やはり、スジが一本
通っていた。

「何かひとつの物やことだけでなく、身の回りにあることや、
日々の仕事の積み重ねから、考える事も全部材料です。」
「コムデギャルソンの仕事に共鳴してもらい、コムデギャルソンの
服を着た人が、ドキドキしたり、何か感じてもらえる事が一番大事。」
「それは、目的に近い使命ですから。もちろんかっこいい、新しいものを
作り出したという感触は、持ちたいですが、それ以上に、やはり
同じように感じてくれる人が多ければ多いほど、それは仕事としては
うれしいのです。」

さすが、川久保玲である。
心がふるえるお言葉であった。
# by jack1641 | 2012-02-12 22:08 | 店長日記

「ひもかわ」うどんを食べながら考えてみた。

yuriさんが、突然、何を言い出すかと思ったら、
「ねえ、うどん、食べに行かない?」
「どこに?」
「桐生」
「・・・・」
私の住んでいる高崎から、1時間くらいの所に
桐生市という街がある。かつては、日本の機どころ
といって、着物、で栄えた街だったのだ。
最近、yuriさんは、そこに、頻繁に、出かけていて、
面白い、うどん屋に巡り会ったらしい。
そういう私は、永いこと、群馬県に住んでいながら、
一回も、足を踏み入れた事がないんである。
で、そんな私を、連れ出してくれたのである。

見えてきたのは、渡良瀬川で、そこを渡ると桐生の街。
これと言って、何かがあるわけではない。何も無いんだけれど、
商店街は、クリエイションに溢れている。
一生懸命考えている。
大企業資本に、汚染されていないのがいいのかもしれない。
新幹線が、停まるっていうだけで、
街作りが、思考停止してしまっている私のところとは、
全然、違う。
いい。
すごくいい街。

さて、そんなyuriさんの、おすすめの店で、
「ひもかわ」を食す。
この地で、有名な、うどん、すなわち「ひもかわ」
読んで字のごとく、妖怪の「いったんもめん」のような、うどん。
こ、これが、と、誰でも面食らう。
そんな、私の横で、勝ち誇ったように、
常連らしきおじさんたちが、頼んでもいないのに、
蘊蓄をしゃべりだしたので、耳を傾ける。
なるほど、桐生は、織物の街だから、それに、ひっかけて、
反物のようなうどんを作り出したのだと、そして、
店によって、その幅は、違っていて、この店は、かなり
幅広らしい。ちょっと食べにくい。おもしろいけど。
ははーん、だから常連らしき、おじさん連中は、
普通の、うどんなんだなと、合点がいく。

でも、このうどん、食べてみたいと、誰でも
一度は、思うはず。うどんだけじゃなくて、
イタリアンでも、エスニックだって、これでいける。

もともと、地元に根付いていた、「ひもかわ」のうどんの文化を
街が、新しいかたちに、クリエイションしたんだ。

次は、どんな「ひもかわ」を食べにいこうかっていう
気持ちにさせる、また、ここに来ようと思わせる点で、
やったな桐生。
幅広の麺を、口いっぱいに頬張りながら、
川久保玲の雑誌インタビュー記事を
噛み締めてみた。
# by jack1641 | 2012-02-10 12:21 | 店長日記

モノの値段は、使用料で、考えよう。

私のお気に入りのショップに、D&Department
というのがある。60、70年代の、ものづくりの思想
が、好きだからだ。
例えば、ダイニングテーブルは、カリモクだし、
子供の机も、それにこだわって、使用している。
その、商品編集部のブログに、
とても、説得力のある言葉を見つけたので、紹介したい。

「モノの値段は、使用料で考えよう」

詳しくは、それを読んで欲しいのだが、
お客様と、接していて、よく、
長い目で見れば、お得です。なんてことを言っている。
これでも、ものづくりの端くれとして、やっぱり、
末永く、大切に、壊れたら修理して、愛着を持って、
使って欲しいと、常々、思っているわけで、
でも、いつも、うまく、伝えられない。
しかし、この言葉には、響くものがある。

例えば、難攻不落の奥様も、これで落とせるかもしれない。

1年で、使えなくなってしまう10000円の自転車も、
10年使ってヴィンテージとなる10万円のビアンキも、
年間使用料は、同じ10000円だったら、
気分よく使える10万円のビアンキの方が、ずっとお得だ。
# by jack1641 | 2012-01-23 18:00 | 店長日記

ツリーハウス 角田光代

相変わらず、本が好きで、手当たり次第読んでいるのだが、
しばらく、書評なんてやっていなかったんだけれど、
やっぱり、何か、書き留めていたほうがいいような気がして
logのつもりで、記しておくことにした。
再開、初は、
角田光代 

ツリーハウス



日本人、必読の書といってもいいんじゃないだろうか。

この物語の底に流れているのは、吉本隆明の思想である。
と言い切ってしまう。
彼の思想の第一原則、最強にして最大の言葉。

 結婚して子供を産み、そして子供に背かれ
老いてくたばって死ぬ。そういう生活者を
もしも想定できるならば、そういう生活の仕方をして
生涯を終える者が一番価値のある存在なんだ。


解説は、勢古浩爾氏の文献ぼくが真実を口にすると 吉本隆明88語 (ちくま文庫)
に、詳しいので、
それを参照して欲しいのだが、とにかく
全体に、この思想が、横たわっている。
そして、言葉に溢れている。


言葉や理論だけ並べて得意になるような人じゃないでしょ。まず動く。

私たちは抗うために逃げた。生きるために逃げたんだ。

闘う事も逃げることもせず、やすやすと時代に飲み込まれんな

平和で不気味に退屈で、でもそんな時代にのみこまれるなと。

あんた、自分がやった馬鹿はね、ぜんぶ自分に跳ね返ってくるんだよ。

いやなことだの面倒だのから逃げたって、ちゃんとつかまるよ。
帳尻が合うようにできてるんだ。


私が一番好きな場面は、p377から381。
この場面は、吉本の悪人正機に通ずる。

とにかく、これを買って、ぜひ読んで欲しい。
重要な一冊である。

「そこにいるのがしんどいと思ったら、逃げろ。逃げるのは悪いことじゃない。
逃げたことを自分で、わかってればそう悪いことじゃない。
闘うばっかりがえらいんじゃない。」

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# by jack1641 | 2012-01-18 08:58 | 店長日記